業界初の太陽光発電
そのほか、世界に進出している多国籍企業は、為替リスク回避と節税のため外国で資金を調達していて、日本の銀行から資金を調達しなくなっている。
銀行は優良会社に融資したいが、優良会社は借入金を減らしているため、長期の住宅ローンやデベロッパー、不動産関連への融資比率が高くなっている。
また余剰資金で国債も買っている。
銀行は不動産関連融資と国債での運用の比率が高いことのリスクは十分分かっている。
そのため、最近ではメガバンクは地方の中堅優良企業への融資を熱心に開拓している。
その影響を受け、地銀や第二地銀は融資先が少なくなり、地方債を買っている。
およそ企業経営においてリスクを小さくはできるが、完全に回避して収益を上げることはできない。
地域密着型の信用金庫や信用組合は優良取引先を地銀に奪われ、地方債や私募ファンドを買っているようだ。
信用金庫は街中の電器店、書店、家具店、飲食店などに融資してきた。
大型スーパーや外食チェーン店に顧客をとられ、シャッターを閉めた店も多い。
この傾向は当分続くだろう。
全国に二九八機関、七八七九店舗ある信用金庫で危ないところも出てきて、信用金庫の合併が進められているが、市町村合併と同じで、大きくなったから健全になるとは限らない。
全国に一七五で、一九二二店舗の信用組合も同様である。
これらの中小金融機関は、郵便局とコンビニのATMにも仕事を奪われている。
また、シティバンク、香港上海銀行、ドイツ銀行など古くから日本に進出している外資系銀行は旧大蔵省が店舗を増やすことを長い間認めなかったため、これまでは小口の預金を集めることができず、行員数も少なかった。
かつてはそれが銀行経営上不利であったが、いまはロンドンや東京の金融市場で一日で数百億円の資金を低コストで集めることも可能になり、小口預金を数多く集めている日本の都市銀行より調達コストが低くなり、店舗が多い都銀より優位になった。
外資系銀行は外資系ファンドに融資したり、証券業務、不動産業務、M&A業務を手がけていて、総じて日本の銀行より高収益である。
ともあれ、日本は資金過剰の経済となっていて、資金の大口取り手の不動産会社と住宅ローンなどの融資で前回のバブルと似た様相を見せている。
前回のバブル前、旧大蔵省は日本の銀行が資金過剰になっている状況を解消しようと、都銀や大手の地方銀行、総合証券会社にNY、ロンドンへの出店を指導した。
アメリカのカリフォルニア州に進出した都銀もあった。
総合証券会社、なかでも野村設券は優秀なプレーヤーを採用して、NYで高収益を上げていた。
また、ロンドンでもK大学卒やO大学卒の人材を採用していた。
一時期シティには四万人の日本人がいたといわれている。
しかし、バブル崩壊とともに多くが撤退し、いまでもNYやロンドンで活躍しているのはN証券ぐらいで、証券会社も、日本での収益高を見れば外資がシェアを上げてきている。
銀行は長年の間、労使協調終身雇用制であった。
四半世紀前頃までは、労働組合の委員長や書記長経験者が頭取になることが珍しくなかった。
日本の銀行にはそのような歴史と企業文化があり、日本の銀行が店舗や行員の数を減らすことは外銀に比べて難しい。
日本の国債は、外国の銀行にも買われている。
外国の年金にも買われている。
そこには分資料)日本銀行調査統計局「金融経済統計月報」散投資することでリスクを回避する、という運用姿勢がある。
しかし、アメリカのFFレートは二〇〇四年六月から、二〇〇六年一一月までの短期間に〇・二五八-セントずつ計一七回利上げが行なわれた。
その結果、FFレートは五・二五パーセントまで上昇した。
それを受け米国債の利回りも上昇した。
そのため、生保、企業年金などの機関投資家は日本国債を売り、米国債を買い増すというポートフォリオ(金融資産の組み入れ内容で、運用の中身は、株式、債券などさまざま)の組み替えを行なっている。
鉄鉱石、鉄をつくる原料の強粘結炭、ウランなどを産出する豪ドルも強くなり、豪ドルのMMFも買われているほか、ユーロも買われている。
円かドルに変わって外国に流出する現象は円キャリーと呼ばれているが、円キャリーは米ドルだけでなくユーロやオーストラリア、最近ではアジアにも流出している。
平成一九年六月二七日の日経新聞夕刊一面には、「円建て外債の発行急増」との見出しで、シティグループや、B社が円建て外債を大量に発行、と報じている。
日本の金利が低いのが原因だが、これも円キャリーと同様の現象が起き、円安要因ともなる。
日本は金利を上げなければならないが、大量の国債と地方債を発行していて、金利を上げると、国債や地方債の利払いが増え財政の赤字要因となるため上げにくい。
これから日本では中国、タイ、ベトナムほか発展途上国からの輸入が増える。
日本は資源小国なのに、六〇年代に、二桁の高度成長を続けて世界一の工業生産高を誇る国になり、産油国などを別にすれば一人当たりGDPで世界一になった。
しかし日本の工業・製造業は、多少の円安でも、これからは日本より人件費が一桁安い中国、タイなど東アジア諸国、そしてインドに取って代わられるように思える。
二〇〇五年には一人当たりGDPでイギリスにも抜かれた。
かつて、”失われた一〇年”と言われたが、日本の製造業は一〇年前にピークアウトしていて、これから日本は沈みゆく国になっていくのではないか、国民はもっとつつましやかな生活をしなければならない、と思える。
前述したが、鉄鉱石、石炭、ウラン、食糧などの資源国のオーストラリアも一次産品が好調なため、企業は資金不足になり、金利の水準は六パーセント前後である。
イギリスの国債も四パーセント前後。
日本の国債の金利だけが突出して低い水準である。
これまで日本の国債を買っていた年金などの機関投資家が、日本の国債を売って残高を減らし外国債を買って残高を増やすという動きが始まっている。
そのためいまは円安ドル高のトレントになっている。
円安ドル高は、鉄鋼など日本に生産拠点を置く日本の輸出企業には収益上プラス要因だが、外国に進出し、製造拠点を置いている企業にとってはマイナス要因となる。
ヘッジファンドなどから債券先物を売り浴びせされれば、国債は下落し金利は上昇する。
平成一七年初めには円か一〇〇円前後であった。
平成一九年六月末は一二二円。
為替をヘッジしていなければ米国企業の製品を日本へ輸出する企業にとって、大幅な減益要因になった。
米商務省は米国の貿易赤字は二〇〇五年一〇月、六八八億ドルと過去最大だった前月の赤字を四・四パーセント上回ったと発表した。
ドル高によってアメリカの製造業が弱体化している。
逆に円高ドル安になれば、食料品をはじめ物価が上昇し、インフレになる。
日本の国債の債券先物は、ロンドン、シカゴ、上海、シンガポールなどにも上場されている。
そういう市場で債券先物が売られたら、現物の債券は当然値下がりする。
日本の銀行は大量の国債を持っているから、慌てて国債の現物を売ってくるだろう。
一斉に売ってくれば、売りが売りを呼ぶという状況が起きる可能性がある。
債券の売りが一方通行で急落しセリングクライマックスになる可能性もなくはない。
日銀は国債の買い方に回るだろう。
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